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| マテナダラン古文書館 |
マテナダラン古文書館は1957年に建設された世界有数の古文書館です。
アルメニア語のテキストの最初のマテナダラン（本の寄託所）は、5世紀にエチミアジンの聖メスロプ・マシュトツによって建てられ、何千もの写本が保管されていました。何世紀にもわたる侵略により、略奪や焼却による莫大な損失がありましたが、1800点の精巧に描かれた装丁写本は生き残りました。これらが当館の素晴らしいコレクションのベースになっています。
現在、23,000以上の写本、断簡、文書、地図などが所蔵されており、中央ホールでは、何世紀にもわたるアルメニアの中世科学、文学、芸術の発展に焦点を当てています。
他のホールでは、ギリシャとローマの科学および哲学関連の作品、イランとアラビアの写本、13世紀のムッシュの聖書解説書などの単品が展示されています。
大通りから坂を上り詰めるとマテナダラン古文書館です。
建物正面前方の台座にはメスロプ・マシュトツが自ら考案したアルメニア文字を弟子のコリウンに教えている大きな像が我々を迎えます。 正面入口の両側には各三体の偉大な学者や作家の像が並んでいます。その中の何人かは今回の旅で訪れた教会・修道院とゆかりの深い人物です。
次に、建物に向かって左から右へ各像の写真と名前を載せました。それぞれがどのような人物かはリンク先を参考にして下さい。
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| メスロプ・マシュトツ |
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| メスロプ・マシュトツと弟子コリウンの像 |
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| マテナダラン古文書館 正面左側 |
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| Toros Roslin | Gregory of Tatev | Anania Shirakatsi |
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| マテナダラン古文書館 正面右側 |
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| Movses Khorenatsi | Mkhitar Gosh | Frik |
マテナダラン古文書館の概要についてはこちらの日本語サイトを、詳細については英語サイトを見て下さい。古文書館の公式サイトはアルメニア語のみです。（2020.05）
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| 正面階段踊り場から一階（地階）方向 |
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| 楔形文字の時代 | ギリシャ文字の時代 |
正面階段から二階に続く階段の踊り場から三枚の絵を見ることができます。これらはアルメニアの文字の歴史を表しています。左側が一番古い楔形文字の時代、右側がその次のギリシャ文字の時代、そして正面が、メスロプ・マシュトツによって考案され現在使用されている独自のアルメニア文字の時代です。
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| アルメニア文字の時代 |
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| アルメニア文字の時代（右上の建物はスヴァルトノツ大聖堂） |
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| 展示ホール | 展示ホール |
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| イブン・スィーナーの幾何学書 1626年の写本 | 同左部分 |
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| 時祷書（ラテン語・15世紀フランスの写本） | 同左部分 |
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| ムッシュの聖書解説書（1200－1202年） |
この聖書解説書は展示品の中で最大のものです。
1915年のアルメニア人虐殺の後、その大きさと重さのため2人の女性が安全に運び出すために半分に破られました。その内の1人はこれを携えてアメリカに移住したため、再び一つになるまで何年もかかったそうです。
一緒にミニチュアの教会暦が展示されています。これは展示品の中で最も小さいものです。
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| ムッシュの聖書解説書（部分） | ミニチュアの教会暦（1436年） |
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 楽師が奏で、女性達が聞き入っています |
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| 同左部分 |
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| 細密画（1290年） |
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 細密画（1290年） Masked Actor とだけ説明がありました |
| 細密画（1290年） |
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| 楽器を奏で歌う男女（13-14世紀） |
 楽器を奏で歌う女（13-14世紀） |
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| 楽器を奏で歌う男（13-14世紀） |
各写本の解説は非常に簡単でほとんどがアルメニア語、ロシア語、英語、フランス語の短い一行のみです。
例えば、Folk singers with musical instruments Ms. of the 13-14c. といった具合です。
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 コズロヴィドゥクトの賛美歌集（1310年の写本） |
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| 同左部分 |
コズロヴィドゥクト（Khosrovidukht）の賛美歌集（1310年の写本）です。彼女は8世紀アルメニアの詩人・歌手だったようです。当サイトのホルヴィラップ修道院のページで触れたティリダテス三世の姉妹で同名の女性とは別人です。
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| ラザロの福音書（中央）写真複写 |
マテナダラン古文書館で最も古い羊皮紙の本が、この887年に書かれたラザロの福音書だそうです。
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| 羊皮紙写本断簡（9世紀） | 羊皮紙写本断簡（10世紀） |
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| Movses Khorenatsi 像 |
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| 説教集 |
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| 福音書と象牙のバインダー |
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| 象牙のバインダーの部分（6世紀のコピー） |
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| エチミアジンの福音書（989年） |
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| 福音書（1211年） |
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| 福音書（13世紀） | 同左部分 |
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| 福音書（13世紀） | 同左部分 |
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| 福音書（13世紀） | 同左部分 |
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| 碑文 | 同左部分 |
どんなことが書かれているか興味のある方は、下の英語訳を読んでみて下さい。
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| 碑文の英語訳 |
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 修復された写本 |
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| 同左部分 |
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 アガタンゲロス（5Ｃ）の「アルメニアの歴史」 1569年の写本 |
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| 同左部分 |
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| イェギシェ (5c) の「バルダンとアルメニア戦争の歴史」1569年の写本 | 同左部分 |
 モーゼス・ホレナツィ（5Ｃ）の「アルメニアの歴史」 16世紀の写本 |
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| 同左部分 |
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| 地理学関係（上段は13世紀のアストロラーベ） |
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| 地理学地図（12-13世紀）15世紀の写本 | 同左部分 |
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| 地理学地図（12-13世紀）15世紀の写本 |
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| 医学書 |
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| Mkhitar Heratsi の「発熱の救済」1279年写本 | Amirdovlat Amasiatsi の医学書 1459年写本 |
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| 同左部分 |
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| 薬草の解説書 18世紀の写本 | 同左部分 |
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| ロイヤル・エリクサー |
エリクサーは、錬金術で飲めば不老不死になれると伝えられる霊薬・万能薬だそうです。
王のバルサム・エリクサーは、中世アルメニアの伝統的な医療処方と特殊な蒸留技術によって調製されたもので、中世では王達に使用され、若さと情熱を与える万能薬とされていたようです。
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| ロイヤル・エリクサー | ロイヤル・エリクサー |
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| 香油と芳香剤 | 香油と芳香剤 |
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| 顔料・染料（ヴォルダン・カミールなど） | 顔料・染料 |
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| 医学書 |
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| 馬の治療法 13世紀 | 同左部分 |
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 福音書（タルグマンシャッツ修道院）1232年 |
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| 同左部分 |
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| アレキサンダー大王の歴史（5ｃ） 17世紀の写本 | 同左部分 |
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| イタリア歌曲 15世紀 | 同左部分 |
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| アヴァグ修道院の福音書（Avag Vank） 1201年 | 同左部分 |
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| Aghjots修道院の福音書（1452） （表表紙 17世紀） | Aghjots修道院の福音書（1452） （裏表紙 17世紀） |
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| 福音書（表表紙） | 福音書（裏表紙） |
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| 聖書 1666年 アムステルダム |
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| 同上部分 | 同上部分（エッサイの樹） |
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| 福音書 1666年 |
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| 同上部分（最後の審判） | 同上部分（最後の審判） |
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| 福音書 1724年 |
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| 同上部分 | 同上部分 |
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| アルメニア人虐殺関連の資料 |
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| 2015年にパリ市庁舎で開催された「アルメニア人虐殺100周年記念展覧会」のポスター |
エレバンのマテナダラン古文書館の見学はこれで終わりです。
８日間で巡ったアルメニアの旅はここマテナダラン古文書館で完結です。今まで国名だけしか知らなかった未知の国アルメニアが少し身近になったような気がします。
これからスヴァルトノツ国際空港へ向かい帰国の途につきます。
下の写真は旅行中昼食を取ったあるレストランで見た印象的な写真です。
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| 民族衣装を纏った昔の女性 |
