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| セヴァン修道院 |
長い急な階段を上り詰めるとセヴァン修道院に至ります。
修道院の建つこの高台は以前は湖上に浮かぶ島でしたが、水位の減少により現在のような半島になったそうです。
セヴァン湖を見下ろすこの地には嘗て異教の神殿が建っていました。
301年にティリダテス三世がキリスト教に改宗し、アルメニアの国教とした後、啓蒙家グレゴリウスがこの地で布教し聖ハルティウン教会（キリスト復活教会 305）と聖カラペット教会（洗礼者ヨハネ教会）を建てたと云われています。
聖使徒教会南壁の碑文にはバグラトゥニ朝の創始者アショット一世の娘でヴァサク・シウニ（Vasak Gabur of Syunik）の王妃マリアム（Mariam）による874年の修道院建設にまつわる事績が記されています。
伝説によると聖マシュトツ(Mashtots Yeghivardetsi)はセヴァン湖を歩いて近づいてくる十二使徒の夢を見、教会を建てる場所を告げられたそうです。
王女マリアムは後にカトリコスとなるマシュトツから精神的指導を受けており、その話を聞いたマリアムは修道院の設立支援を申し出たとされています。
現在のセヴァン修道院には十二使徒に献げられた聖使徒教会（聖アラケロツ教会 St. Arakelots）と聖母マリアに献げられた聖母教会（聖アストヴァツァツィン教会 St. Astvatsatsin）の二つの教会しかありません。嘗て修道院を構成していた他の建物の痕跡はほとんどありません。9または10世紀に建てられた聖母教会のガヴィットも今はハチュカルを残すのみです。
セヴァン修道院の概要についてはこちらを見て下さい。
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| セヴァン修道院への階段 Bon courage! |
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| セヴァン修道院の解説板 | セヴァン修道院のプラン |
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| セヴァン湖の日の出（左の丘にはセヴァン修道院） | セヴァン修道院 遠望 |
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| 1 | 聖使徒教会（洗礼者ヨハネ教会） St. Arakelots (Karapet) church | ||
| 2 | 修道士の房とアカデミー跡 | 3 | ガヴィット跡 |
| 4 | 聖母教会（聖アストヴァツァツィン教会 聖使徒教会) St. Astvatsatsin（St. Arakelots）church | ||
| 5 | キリスト復活教会跡 St. Harutiun church | ||
聖使徒教会から見てみましょう。
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| 聖使徒教会（左） 右奥は聖母教会 |
二つの教会のうち小さい方が聖使徒教会（聖アラケロツ教会）です。大部分が9世紀後半にマリアムによって再建されました。
この教会は聖カラペット教会（洗礼者ヨハネ教会）とも呼ばれていることから勝手に推測すると聖使徒教会は啓蒙者グレゴリウスが建てた聖カラペット教会を再建したものかもしれません。
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| 聖使徒教会（南西方向） | 聖使徒教会（南側） |
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| 聖使徒教会（南側） |
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| 聖使徒教会 St. Arakelots |
堂内は非常に狭い空間です。
 聖使徒教会の祭壇 |
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| 聖使徒教会の祭壇画 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会） |
聖使徒教会の南東に20メートルほど離れて建つ聖母教会もマリアム王女によりほぼ同時期に建てられました。
聖使徒教会より幾分大きいもののそのプランは酷似しています。
聖使徒教会を聖カラペット教会と呼ぶ場合、この聖母教会を聖使徒教会と呼ぶことがあるようです。
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母教会）右奥 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）南側 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）東側 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）東側 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）北側 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）北側 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）北側 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）北西方向 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）西側とガヴィット跡（手前） |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会） |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の祭壇 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の祭壇 |
 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の祭壇 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の祭壇画 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の祭壇 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の祭壇 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の祭壇と南翼廊 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の南翼廊 |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）南から北翼廊方向 |
南翼廊の十二使徒図の下には構成が他とは明らかに異なるハチュカルが置かれています。
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| 北翼廊の十二使徒図 | 北翼廊に置かれたハチュカル |
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| 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）の天井 | 聖アストヴァツァツィン教会（聖母マリア教会）西入口方向 |
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| セヴァン修道院のハチュカル |
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| セヴァン修道院のハチュカル | セヴァン修道院のハチュカル |
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| セヴァン修道院のハチュカル | セヴァン修道院のハチュカル |
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| 聖母マリア教会のガヴィット跡 ハチュカルが並んでいる | 聖母マリア教会のガヴィット跡のハチュカル |
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| 聖母マリア教会のガヴィット跡のハチュカル |
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 聖母マリア教会のガヴィット跡のハチュカル |
| 聖母マリア教会のガヴィット跡のハチュカル |
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| 聖母教会北翼廊に置かれたハチュカル | 聖母教会北翼廊に置かれたハチュカル |
このハチュカルは聖母教会の堂内（北翼廊）に置かれています。 その構成は他のものとは明らかに違います。細部を見てみましょう。
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| 聖母教会北翼廊に置かれたハチュカル（上段） |
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| 上段左 | 上段中央 | 上段右 |
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| 中段部分 |
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| 中段左 | 中段中央のキリストの磔刑 | 中段右 |
中段中央の磔刑のキリストですが、左右に長く編んだ髪が垂れています。上段と下段のキリストらしき人物も同じです。これは何を意味するのでしょう。
中段右の最上部の天秤では右側の悪魔が下に引っ張っていますが左の羊の重さには勝てません。最後の審判でしょうか。
中段右最上部にはおくるみを抱く人物がいます。この赤ん坊はキリストでしょうか。その下では動物が向かい合って座っています。また、さらにその下には王らしき三人の人物がいます。マギでしょうか。
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| 下段中央 |
セヴァン修道院の見学はこれで終わりです。
明日はアルメニアで最も多くのハチュカルが見られるノラドゥズの墓地へ向かいます。
