今日は宮古島観光の最終日です。午前中、「綾道(あやんつ)英雄物語」という宮古島の旧市街平良地区を史跡や文化財をたどりながら、宮古島統一の歴史物語にふれる街歩きツアーに参加し、午後の便で帰宅の途につきます。
ツアーの開始時間は本来10時からなのですが、帰宅便の都合で1時間繰り上げて9時からお願いしました。
 |
| 宮古神社 |
「綾道英雄物語」まち歩きツアーは宮古神社から始まります。綾道(あやんつ)とは宮古島の言葉で「美しい道」という意味だそうです。
先ず、宮古神社を参拝した後、ガイドさんから英雄家系図を見ながらツアーの概要説明を受けました。
今回のテーマは「英雄物語」です。ここで言う英雄とは、嘗て宮古島を統治した三人の首長・英雄であり、宮古神社で、豊見親三神として祀られている、目黒盛定政命（めぐろもりていせいのみこと）、與那覇恵源命（よなはけいげんのみこと）、仲宗根玄雅命（なかそねげんがのみこと）の三柱と、その家系の人々です。
神社の由緒書きには、目黒盛豊見親は「宮古統一の祖」、與那覇豊見親は「宮古開基の祖」、仲宗根豊見親は「宮古中興の英王」と記されています。いずれも宮古の豪族です。
「豊見親(とぅゆみゃ)」とは、宮古の言葉で琉球王朝時代に宮古で地方を治めた豪族、あるいは、首長や英雄のことです。
與那覇豊見親 と 仲宗根豊見親 については、リンク先を参照して下さい。
 |
 |
| 宮古神社 一の鳥居 | 宮古神社二の鳥居 |
 |
 |
| 宮古神社の由緒書き | 宮古神社由緒書の豊見親三神 |
ガイドさんと漲水石畳を下り、漲水御嶽へ向かいます。
 |
 |
 |
| 漲水石畳と「平和の犬川」の碑（右） | 「平和の犬川」の碑 |
 |
 |
| 「平和の犬川」碑の右隣の御嶽 | 「平和の犬川」碑の右隣の御嶽の石碑 |
漲水石畳を下ったところに「平和の犬川」と刻まれた石碑とその隣に小さな御嶽（うたき）があります。御嶽には小さな井戸があり、その後ろに、石碑が建っています。木の葉に隠れて見づらいですが「ニブス川」と書かれています。「ニブス」とは「底浅い井戸」のことのようです。
ガイドさんの説明と散策マップの説明書によると、14世紀頃の宮古は領土争いが絶えず、中でも與那覇の軍は村々を襲い荒らし回っていたそうです。與那覇は目黒盛に戦いを仕掛けます。漲水の崖まで追い詰められた目黒盛は死を覚悟しますが、突如一匹の犬が洞穴から飛び出し、敵に襲いかかったそうです。
その犬は、7年前に行方不明になっていた目黒盛の愛犬でした。敵がひるんだ隙に勝機を掴んだ目黒盛は戦いに勝利し、その後、豊見親（英雄）と呼ばれ、戦乱の世に終止符が打たれたそうです。
宮古神社の由緒書きには目黒盛を「宮古統一の祖」と記しています。
ところで、石碑に刻まれた「犬川」と「ニブス川」ですが、宮古島には川がないので、自然壕に湧きできる泉のことのようです。この小さな御嶽にある井戸が「犬川」であり、「ニブス川」なのかも知れません。目黒盛の窮地を救った愛犬が飛び出してきた洞穴がこの井戸の辺りだったのでしょう。
俗信や伝説では、虎は洞穴に住むと言われます。洞穴から飛び出した目黒盛の愛犬は、正に猛虎のようだったのかも知れません。
また、御嶽の井戸には蓋がかけられていますが、宮古島では、水にも命があるとされ、使わなくなった井戸に蓋をかける場合でも、息抜きの管を設けるそうです。
|
 |
 |
| 漲水御嶽 | 漲水御嶽 |
「平和の犬川」碑の斜め向かいの漲水御嶽（はりみずうたき）です。
御嶽前の説明板によると、漲水御嶽は、宮古島創世の神話や人蛇婚説話にいろどられ、宮古人の源流を探る貴重な御嶽とされています。
宮古島創世神話や人蛇婚説話については、こちらをご覧下さい。
 |
 |
| 漲水御嶽 | 漲水御嶽 |
 |
| 漲水御嶽 |
 |
 漲水御嶽の解説 |
| 漲水御嶽の解説 |
次は、「豊見親墓」へ向かいます。
|
 |
 |
| 豊見親墓の説明板 | 豊見親墓の碑 |
解説によると、豊見親墓は、仲宗根豊見親を始祖とする忠導氏にゆかりのある三基の墓を重要文化財として一括指定したものです。
その三基を順番に見て行きます。
|
 |
 |
| 仲宗根豊見親の墓 | 仲宗根豊見親の墓 |
仲宗根豊見親墓は、15世紀末から16世紀初めに宮古の首長をつとめた仲宗根豊見親が、父の霊を弔うために築造したと言われています。仲宗根豊見親は目黒盛豊見親の5世孫にあたり、これを祖とする家系を忠導氏と呼び、その一門がこの墓に祀られています。
仲宗根豊見親は、宮古神社の由緒書きに、「宮古中興の英王」と記されています。
13段の階段中央に墓室の入口があり、内部は10畳ほどの広さで、壁で前後2室に仕切られているそうです。
遺体は棺に納め、前室で数年かけて風化させ、後に洗骨して遺骨だけを後室に納めたそうです。ガイドさんによると、このような葬送法は現在でも一部で行われており、洗骨は女性（お嫁さんとも）の役割だと聞きました。
石垣に囲まれた墓内の西側にある井戸は、洗骨用の降り井（ウリガー）と呼ばれるもので、墓内に残るのはここだけだそうです。
 |
 |
| 仲宗根豊見親の墓 | 仲宗根豊見親の墓 |
 |
| 仲宗根豊見親の墓 |
 |
 |
| 洗骨用の降り井 仲宗根豊見親の墓 | 洗骨用の降り井 仲宗根豊見親の墓 |
|
 |
 |
| あとんま墓 | あとんま墓 |
「あとんま」とは、後妻のことです。後妻は本妻と同じ墓に葬ることができなかったため、仲宗根豊見親を祖とする忠導氏族の後妻だけが別に葬られています。
 |
 |
| あとんま墓 | あとんま墓 |
 |
 |
| あとんま墓 | あとんま墓の解説板 |
|
 |
| ガジュマルの木陰 |
|
 知利真良豊見親の墓 |
 |
| 知利真良豊見親の墓の碑 |
仲宗根豊見親の三男、知利真良豊見親の墓です。
詳細は、下掲の解説板の写真を参照して下さい。
 |
| 知利真良豊見親の墓の碑 |
 |
 |
| 知利真良豊見親の墓 説明板 | 知利真良豊見親の墓 説明板の俯瞰写真 |
 |
| 知利真良豊見親の墓 |
 |
 |
| 知利真良豊見親の墓 | 知利真良豊見親の墓 |
宮古島と近隣の島々の観光はこれで終わりです。
現在10時30分です。これから、ホテルに戻り、チェックアウト後、タクシーで宮古空港へ向かいます。
|
 |
| 4泊したホテル |
 |
 |
| 宮古空港 | 宮古空港のシーサー |
 |
 |
| 宮古空港出発ロビー限定 宮古牛焼き肉弁当 | 宮古空港出発ロビー限定 宮古牛焼き肉弁当 |
宮古空港で出発ロビー限定の宮古牛焼き肉弁当をお土産に買いましたが、 個人的には、ちょっと期待外れでした。
