 |
| ウェンロック小修道院跡 |
ウェンロック小修道院、別名聖ミルバーガ小修道院はシュロプシャーのマッチ・ウェンロックにある１２世紀の修道院跡です。
マーシアのメアウォール王がこの地にアングロ・サクソンの修道院を建てたのは680年頃といわれます。聖女と讃えられた女子修道院長ミルバーガは王の娘でした。
現在我々が目にするのは11世紀後半にノルマン人によって古い修道院跡に建てられたクリュニー会の男子修道院跡です。
この地は聖女ミルバーガの終焉の地とされていましたが、1101年の修復工事の際彼女の遺骨が偶然発見され、この聖遺物によりウェンロック小修道院は巡礼の地として繁栄したそうです。
さて、見学ですが昨日訪れたファウンテンズ・アビーと比べるとかなり小規模です。さらに、往時の建物を思い浮かべるための壁などの建造物も非常に少なく全体像をつかむのに戸惑います。
また、一般公開されているのは修道院付属教会、参事会室、図書室そして回廊であった部分だけです。南側にはまだ他の施設もあるようですが見学はできません。
見学できる部分を簡単な図で上に示しています。壁などの建造物が残っているのは白色の太線の部分だけです。緑の細線は便宜的なものです。上の図で全体像を思い浮かべながら以下の写真を見て下さい。
 |
 |
| ウェンロック小修道院跡 | ウェンロック小修道院跡 |
上の写真はウェンロック修道院付属教会跡を西から東方向に撮ったものです。前方左の壁は北袖廊跡、右は南袖廊跡です。西から東まで礎石だけで身廊と側廊の形跡はありませんが東西107mあり、当時のイングランドで最長だったそうです。
ただし、唯一西南の角に建物の一部が残っています。私が訪れたときは修復中で足場がかけられ見学はできませんでしたが、この部分には列柱やヴォールト天井も残されています。
 |
 |
| ウェンロック小修道院付属教会跡（回廊側より） | ウェンロック小修道院付属教会跡の窓 |
上の写真はウェンロック修道院付属教会跡の西南角の部分です。上部の窓を通してヴォールト天井が確認できます。当時はこの窓にステンドグラスがはめ込まれていたのでしょう。
 |
 |
| ウェンロック修道院付属教会跡の円柱礎石 | ウェンロック修道院付属教会跡 |
修道院付属教会跡には列柱の礎石がいくつか残っています。左上の写真はトランセプトの円柱礎石です。後方に見える礎石と比べかなり大きいことが判ります。
 |
 |
 |
| 北袖廊跡（南から北方向） | 北袖廊跡の壁（手前）と南袖廊跡（後方） 北から南方向 |
次は付属教会跡の南北のラインを見てみましょう。
左上の写真は北袖廊跡の壁です。手前の円柱礎石はトランセプトのものです。
右上の写真は北袖廊跡の壁（手前）と南袖廊跡（後方）を北側から撮ったものです。
 |
 |
| 北袖廊跡（南から北方向） | クリプト跡 |
北袖廊跡の壁の西側にはクリプトの跡（右上）があります。
|
 |
| ウェンロック修道院付属教会の南袖廊跡（北西より） |
南袖廊跡は三方の壁が残っており、どんな建物があったのか想像がつきます。この西側には図書室跡、南側には参事会室跡があります。
 |
 |
| 南袖廊跡と参事会室跡 （南西より） | 南袖廊跡 （北より） |
 |
 |
| 南袖廊跡 （北より） | 南袖廊跡 （北東より） |
 |
| 南袖廊跡内より北袖廊跡を望む |
|
 |
 |
| 参事会室入口のアーチ | 参事会室入口のアーチ |
ウェンロック修道院付属教会の南袖廊跡の南隣が参事会室跡です。南袖廊の南側の壁の裏が参事会室の北側の壁になります。回廊跡に面して三つのアーチの扉跡があります。
私が思うにウェンロック小修道院跡の一番の見所はこの参事会室跡です。特に北側の壁一面に施された飾り柱とアーチ(Blind arch)の装飾は一見の価値があります。
 |
| ウェンロック修道院付属教会の参事会室跡 （左が北側） |
 |
 |
| 参事会室跡北側の壁 | 参事会室跡北側の壁 |
 |
 |
| 参事会室跡北壁装飾彫刻（西側より） | 参事会室跡北壁装飾彫刻（東側より） |
 |
 |
| 参事会室跡北壁装飾彫刻 | 参事会室跡北壁装飾彫刻 |
 |
 |
| 参事会室跡北壁装飾彫刻 | 参事会室跡北壁装飾彫刻 |
 |
| 参事会室跡北壁装飾彫刻（西側より） |
|
 |
| 参事会室の南壁 |
こちらは参事会室跡の南側の壁です。北側に比べると装飾は控えめです。ただ、東側奥の壁面に面白い彫刻があります。悪魔の顔を挟んで左右にドラゴンが二匹ずつ彫られています。何を意味しているのかは判りません。
 |
 |
| 参事会室跡南壁面の悪魔とドラゴン | 参事会室跡南壁面の悪魔とドラゴン |
|
 |
 |
| 回廊の泉（手洗い場） | 回廊の泉（手洗い場） |
参事会室に面した回廊跡です。と言っても回廊の痕跡はなく、回廊が囲んでいた庭に泉（手洗い場）が残るのみです。かなり大きな手洗い場で一度に16人の修道士が利用できたそうです。このすぐ南側が修道院の食堂跡ですから修道士達はここで手を洗って食堂に向かったのでしょう。
 |
 |
| 回廊の手洗い場の彫刻 | 回廊の手洗い場の彫刻 |
 |
| 回廊跡の刈り込み |
|
 |
 |
| ウェンロック小修道院へ続く小道 | ウェンロック小修道院のヴィジターセンター |
右上の写真はウェンロック小修道院の見学受付がある小さな建物です。内部には売店もあります。
 |
 |
| ウェンロック小修道院への道標 | ハイランドキャトル（修道院近く） |
 |
 |
| ウェンロック小修道院近くの民家 | ウェンロック小修道院近くの民家 |
| ウェンロック小修道院跡についてのサイト |
次はストラットフォード・アポン・エイヴォンへ向かいます。
