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| サン・キルク教会 |
スペイン・カタルーニャのロマネスク教会を巡る今回の旅はピレネー山脈のボイ渓谷に点在する小教会から始まります。
バルエラ村からドゥーロ村を経由し、標高1498mに建つサン・キルク教会（Sant Quirc de Durro）にやって来ました。周囲の山並みを望む絶景の地です。
この聖堂が捧げられている聖キルク（キュリアコス）は、西暦304年に母ユリタと共に3歳で殉教した聖人です。建物の歴史は１２世紀に遡ります。西側の鐘楼は後世のものです。
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| サン・キルク教会（南西方向より） | サン・キルク教会（北西方向より） |
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| サン・キルク教会のプレート |
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| サン・キルク教会（南東方向より） | サン・キルク教会 |
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| サン・キルク教会 | サン・キルク教会（東方向より） |
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| サン・キルク教会内部 | サン・キルク教会内部 |
サン・キルク教会の内部は驚くほど狭く、また、明かり取りがほとんどないので照明がなければ真っ暗です。
この教会の見所は簡素な祭壇の前に描かれた１２世紀中頃の板絵です。
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| サン・キルク教会の祭壇 |
この板絵に描かれているのはこのサン・キルク教会が捧げられている聖キルク（キュリアコス）と母ユリタの殉教の場面です。
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| 祭壇とサン・キルク殉教の板絵 | サン・キルク殉教の板絵 |
この母子は、キリスト教徒迫害により捕えられ、3歳のキルクはキリスト教徒であることを明かしたため直ちに殺され、母は子が先に天国に行ったのを見て晴れやかな顔で神に感謝を捧げ生皮を剥がされ、煮えたぎる松脂油（まつやに）に投げられ、最後に首を刎ねられたそうです。聖霊が子供の口を通して「僕はキリスト教徒です。」と叫ぶたびに、母子は拷問に耐える新たな力を得たという物語は、特にカタルーニヤで崇拝され、厚い信仰の対象となったそうです。
それにしても、この殉教の場面は生々しく残酷です。
ところでこの板絵は模写でオリジナルはバルセロナのカタルーニャ美術館に展示されています。
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| カタルーニャ美術館に展示されている板絵のオリジナル |
これがカタルーニャ美術館で撮影したオリジナルの板絵です。中央のマンドルラには聖母子を模した聖ユリタと聖キルクが描かれ、四隅に殉教の場面が描かれています。左上では聖キルクが頭から真二つに挽かれています。三歳で殉教したとされる聖キルクは大人の姿で描かれています。また、右上と右下で は母ユリタが拷聞を受けています。左下では二人は大鍋で煮られています。
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| サン・キルク教会の聖水盤 |
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| サン・キルク教会前から望む山並み |
サン・キルク教会からの眺望は絶景です。
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教会前には山並みや村々の説明板があります。それによると下の写真がドゥーロの村です。鐘楼がある教会がマリア降誕教会（La Nativitat de Durro）です。
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| ドゥーロ村（サン・キルク教会前より） | ドゥーロ村のマリア降誕教会（サン・キルク教会前より） |
更に遙か眼下にはバルエラの村が見えます。鐘楼が見えるのがサン・フェリウ教会です。
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| 遙か眼下にはバルエラの村が見える | バルエラの村（中望遠） |
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| バルエラ村のサン・フェリウ教会（望遠） |
次はバルエラの村に戻りあのサン・フェリウ教会に行ってみましょう。
